導入事例インタビュー
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-3-9 ヒューリック渋谷一丁目ビル7階
はじめに、御社の紹介をお願いします。
平村:2017年に創業した当社は、AI × Voice × Cloudのソフトウェア/データベースの開発を通して、コミュニケーションにおける摩擦をなくし、お互いの想いがより伝わる社会の創出を目指す会社です。2018年には法人向けサービスの第一弾として「MiiTel(ミーテル)」をリリース。電話営業におけるアポイント獲得率や成約率の向上、教育コストの削減、電話の管理工数削減など、生産性向上に貢献するサービスとして、現在までに約800社、約19,000ユーザーを超えるお客様にご活用いただいています。
社内のIT環境の特徴を教えてください。
平村:お客様の音声コミュニケーションデータという秘匿性の高い情報を扱う企業としての信頼を高めるために、2019年にISMS/ISO27001認証とプライバシーマークを取得しました。創業時から続いている生産性を高める環境を維持したうえで、セキュリティも担保できるマネジメントシステムを構築しています。
松浦:その一方で、創業時から、高い生産性を確保する社内環境づくりの一環としてリモートワークを推奨しています。ここ数年で従業員数が急増しているので、彼ら一人ひとりが最大限の生産性を発揮できる状態にすることも、当社では重要だと考えています。
情報システム関連の業務は、どのような体制で進めているのでしょうか。
清水:総務である私が、情報システム関連の業務も兼務している状況です。そのため、ISMSやPマークを取得してセキュリティマネジメントシステムは構築できたものの、運用については思うように手が回らないのが実情でした。
松浦:情報システム部門の専任者の採用活動もしているのですが、当社のようなスタートアップ企業でゼロから情報システム部門を立ち上げられるだけの経験やスキルを持つ方はそう多く市場にいらっしゃいません。採用活動が苦戦する中、新たな専任者を採用できるまでは、今いる従業員ができる範囲でセキュリティの強化と生産性向上を両立させたIT環境を整備しなければならなかったのです。
当時抱えていた課題を教えてください。
松浦:マシン管理やアカウント管理、各種セキュリティ対策など、細かな課題がいくつも蓄積していました。当社のIT環境におけるベストプラクティスが不明瞭な状況でしたから、施策を実施したくても何からどう着手すればよいのか決めかねていました。
当初は、IT環境の整備をどのように進めようと考えていたのでしょうか。
松浦:当時は情報システム部門をアウトソーシングできるサービスがあることを知らなかったので、情報システム関連の専任者がいない状況でベストプラクティスを導き出すまでに、膨大なコストと時間がかかることは覚悟したうえで、全て内製で対応するつもりでいました。
内製での対応ではなくISO(Information System Outsourcing)サービスの導入という決断に至るまで、どのような経緯を辿ったのでしょうか。
平村:IT環境の整備をどう進めるか検討していた時期に、バリュエンステクノロジーズのコンサルタントの方とお話しする機会があり、そこでISOサービスの存在を知りました。当社の状況ややりたいことを相談していくなかで、バリュエンステクノロジーズさんがどのような支援をしてくださるのかを具体的に教えていただいたのです。
松浦:プロジェクトを立ち上げた当初は、何をどういった順序で着手すれば良いかが分からない状態でしたが、相談するうちにやるべきことやマイルストーンが具体的になっていきました。バリュエンステクノロジーズさんのおかげでプロジェクトの全体像が明確になったので、その流れでISOサービスもお願いしようと決めました。
プロジェクトはどのように進めていったのでしょうか。
松浦:一年後のビジネス規模を見据えて、導入するサービスを決めたり、想定されるリスクへの対策を検討したりするところから議論を始めて、IT環境の構築を進めていきました。
サービスの候補は、コンサルタントの方があらかじめ分野ごとに複数のソリューションに絞っていただきました。我々はその中から、各サービスの仕様や機能詳細を比較したうえで導入するか否かを判断します。情報収集にかかる工数を省き、意思決定のプロセスに集中できたのでありがたかったです。
清水:候補先となるベンダーとの商談もアレンジしていただけたのも助かりました。こちらが気に留めていなかった点もコンサルタントの方が突っ込んで確認してくださり、心強かったです。最終的には、想定していたスケジュールよりも前倒しでサービスを導入できました。
想定より早いスピードでIT環境の構築を進めることができたのはなぜでしょうか。
平村:プロジェクトを進めるうちに躓いてしまいがちな問題点に対して、先に解決策を示してくれたのは大きかったです。他社でうまくいっている事例も共有していただけて、参考になりました。余計な回り道をせず、目的達成に向けて一直線に進められたと思います。
プロジェクトを機に解決/改善できた課題の一例を教えてください。
平村:プロジェクト開始前はチームや部門ごとにクラウドサービスを契約・運用していたのですが、新たに参画したメンバーへのID発行にかかる手間や権限管理の煩雑さに悩んでいました。今回のプロジェクトでシングルサインオンを実現するソリューションを導入したので、IDや権限を一元管理できるようになるとともに、権限の設定も本来あるべき形に整備することができました。費用対効果を加味しても、導入メリットが非常に大きい施策だったと言えます。
現在の運用状況を教えてください。
平村:現在は、構築したIT環境の運用を定着させるフェーズに入っています。導入した製品の使い勝手に問題がないかを見極めるとともに、セキュリティと生産性のさらなる改善に向けた施策の検討もしているところです。
清水:日々の運用で分からないことが発生する場合に備えて、バリュエンステクノロジーズさんには引き続きチャットサポートをお願いしています。社内のIT事情を全て把握してくださっているので、チャットサポートに質問すれば素早くレスポンスをしていただけています。私だけでは解決が難しいトラブルが発生しても、自分の業務を滞らせることなく的確な対応ができるので助かっています。
環境構築を終えてからのフォローもあるのは心強いですね。
松浦:そうですね。加えて、もともと抱えていた課題の一つである情報システム部門の組織づくりについても相談しています。当社が情報システム部門で求める人材を採用面接で見極めるポイントなど、さまざまな助言をいただきました。バリュエンステクノロジーズさんは、要件定義の範囲だけにとどまらず、当社が社内情報システム関連で抱えている課題をよく把握してくださり、それに対して複眼的に支援してくださっています。
今後のさらなる事業成長に向けて、情報セキュリティ環境をどのようにしていこうとお考えでしょうか。
松浦:コミュニケーションを生業にしている会社なので、そこを阻害しない形で、よりよいIT環境を整えてまいります。そのうえで、当社のミッション「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る」を実現するためのベストプラクティスと言えるサービスを世の中に提供していければと考えています。
平村:お客様のコミュニケーション情報を扱う企業である以上、セキュリティの担保は重要な課題の一つであることは確かです。ただ、セキュリティを強固にしすぎるがために生産性が低下してしまわないように、両者のバランスをうまくとりながら最適なIT環境を整備することが重要であると思っています。
当社の生産性を高めることは、クライアントのみならず、社会全体の生産性向上にもつながるはずです。高い生産性と堅牢なセキュリティを実現させている企業として、業界の模範となる存在を目指したいです。